托裏消毒飲 (たくりしょうどくいん) ここ何年か、托裏消毒飲(...
小青竜湯で副作用が生じるのは医師の乱用が問題である 現在、もっとも乱用され...
辛夷清肺湯 (2) やっぱりたくさん書き忘れ...
辛夷清肺湯 (しんいせいはいとう) 辛夷清肺湯は、毎日のよう...
逆流性食道炎にオルスビー錠が本当に有効か? もともとオルスビー錠が...
五苓散 (5) いつまでも五苓散を続ける...
桂枝茯苓丸料 (桂枝茯苓湯) 瘀血を除去する代表的な方...
六 味 丸 (ろくみがん) 六味丸は、腎虚の基本方剤...
五 苓 散 (4) とびとびになって、また五...
意外に鑑別が困難な「痰熱」と「寒飲」 たとえば日常よくみられ...
●エキス剤の製品開発が望まれる『温胆湯』 温胆湯は、中医学では絶対に不可欠な基本方剤である。胆胃不和による痰熱内擾の病機に適応するとされるが、胆と脾胃が虚弱なものが精神的なストレスにより気鬱生痰・気鬱化火を誘発して痰熱を生じ、胆の疏泄と胃の和降の失調とともに、痰熱が少陽三焦を壅滞したものである。それゆえ、温胆湯は理気化痰・清胆和胃・疏調三焦の効能を発揮するのが特徴である。 応用範囲は、冠状動脈性心疾患・動悸・心室性期外収縮・心房細動・高血圧・脳血管障害・甲状腺機能亢進・不眠症など各種の神経症・癲癇・いわゆるメニエール氏症候群・胃十二指腸潰瘍・胆嚢炎・胆石症・妊娠悪阻・気管支炎・気管支喘息等々、数え挙げれば際限がない。 ところが日本国内では、竹茹温胆湯や加味温胆湯、あるいは基本方剤に酸棗仁・黄連が加味された製剤など、加味方剤のエキス製品はあっても、《千金方》や《三因方》のような原典記載の基本方剤は製造されていない。上記のような広範囲な応用が可能となるのは、それぞれの複雑な病機にもとづいた治療法則に対応し、温胆湯の加味・合方を有機的に行ってはじめて可能となるのであるから、中医学がますます認識されてゆくこれからの時代、必然的に原典にもとづいた基本方剤そのままの温胆湯エキスの製造の要望が高まることに違いない。温胆湯は『一般用漢方処方の手引き』の二一〇処方中に記載されている方剤だけに、製造許可は容易に得られるはずである。 温胆湯の配合内容は、黄連・酸棗仁・大棗を除外した「半夏・茯苓・生姜・陳皮・竹茹・枳実・甘草」の七味が最も理想的である。黄連・酸棗仁・大棗の三味を決して配合してはならず、さもなければ有機的に広範囲な活用が出来なくなるのである。また、分量としては甘草が一グラム未満の製剤で、甘草に対する注意書きの記載を必要としないものが理想的なのである。