昨日、補気建中湯(2)の投稿を済ませ、あの失敗からふて腐れていたら、I氏からすかさずメールがやってきて、Back Spaceに手が当たって消失した場合の、回復方法を指導して下さった。
Ctrl+Z ということであったが、こんなことも知らなかったど素人である。
ともあれ、この補気建中湯は、210処方の規定では、白朮ばかりがあって、蒼朮が指定されていないのは、中医学上も、漢方医学上も、大問題のはずである。
こういうところに、杜撰さが感じられてしまうのであるが、今後、もしも奇特な漢方製造メーカーさんが出現するようであれば、白朮と蒼朮の両者が配合されたエキス製剤を望むものである。
昨日も書いたように、様々な疾患(癌や悪性腫瘍の末期が多い)により、腹水がたまって、病院治療でも、もう一つ改善しない場合に、一応、試みてみる価値が大いにあり、といったところである。
反面、シャープに奏効しても、これで疾患が治るとは、何の保証もない。
対症療法的な方剤とこころえていたほうが無難であろう。
煎じ薬で対応した場合、大変な時期に家族の労力を強いるだけに、もしも効果がなかったときの、皆さんの落胆は大きいので、最初ッからあまり期待を大きく持ってもらうと困る場合もある。
それだけに、過去、ダメモトでも、何とか出してもらえないか、効果がなかった場合でも・・・・・という約束が出来る家族の方にしか、決してお出ししなかった方剤である。
事態が逼迫している時期だけに、薬剤師としての立場を考え、医師の許可を得た方にしか、絶対にお出ししなかった方剤である。
実例を挙げれば、皆に必ず奏効するものと誤解される恐れがあるので、省略する。
なお、拙著「
求道と創造の漢方」の202ページから218ページに渡って、「補気建中湯について…・・・ガンに対する漢方療法・・・・・・」と題して述べている。
これには、昭和55年前後の経験例などが記載されているから、当時は頻繁に使用していたことが分かる。