托裏消毒飲(たくりしょうどくいん)については、既に
托裏消毒飲(たくりしょうどくいん) で述べているが、その続編である。
もともと痔漏によく奏功して重宝していたが、偉効に驚かされたのは二十年以上も前に敗血症の不安を抱える肺膿瘍の男性を本方の煎じ薬で根治させた経験である。
昨今は煎じ薬を使用せず、前回にも記したとおり、エキス製剤を数種類組み合わせることで、本来の托裏消毒飲を上回る効果を得ている。
ところで、以前にも少しだけ触れて
ガンや悪性腫瘍が進行して皮膚表面に露出したものが爛れて腐臭を発するものにも、根治は無理にしてもよく奏功する。
とだけ書いていた部分こそ、実は本当の利用価値があるように思われる。
とてもデリケートな段階で使用する場合が多く、根治が望めると言うわけではないので、強調して書く気にはなれなかったが、末期に近い段階で使用しても、シバシバ患部が改善し、体力や気力、食欲が増して、明らかに生活の質が向上する例を多く経験しているので、再記しておきたいと思ったのである。
現在も上記のような状況で、複数の方が
他の方剤とともに利用され、優れた効果を発揮している。
・玉屏風散(ぎょくへいふうさん)のエキス製剤
・荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)のエキス製剤(
金銀花や
人参が必須!)
・白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)のエキス
この組み合わせで、明らかに本物の托裏消毒飲の効能を上回るようである。