小生の経営する漢方薬局では、この防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を、おそらく一生販売することはないだろう。
このような支離滅裂な配合、と言っては言いすぎだろうから、百歩譲るとして、
方意を詳細に分析すれ一目瞭然、滅多なことでは本方が適応するケースはあるはずもない。
昨今は、メタボリックシンドロームや太鼓腹および肥満の聖薬のようにテレビやネットで盛んに防風通聖散製剤のナイシトールなどが幅広く宣伝されているが、まずほとんど無効であろう。
麻黄や石膏・川芎など一癖も二癖もある生薬が複数配合されているものを、テレビやネット上でお誘い販売されることにやや疑問を呈さざるを得ない。
テレビやネットを通じて派手にお誘い販売されたのでは、本当にスマートになれるものと誤解して期待に胸膨らませて注文した購入者の一部に、軽度の副作用に見舞われる事例が多発しても不思議ではないのである。
言い換えれば、極少数の適応者に喜ばれることはあっても、大多数の不適応者が無駄な経費と労力を使って、軽度とは言え、副作用が生じかねない危険を冒すほどの価値は、この防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)には無い、ということだ。
テレビやネットで盛んに宣伝されるほど、そんなにタナボタな甘い話は、防風通聖散に限っては、ほとんどあり得ないということだ。
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