たまには学術風に・・・・。
疏経活血湯 (そけいかつけっとう) 《万病回春》
【組成】 当帰三・五g 白芍四・五g 地黄三g 蒼朮三g 牛膝三g 陳皮三g 桃仁三g 威霊仙三g 川芎二g 防已二g羗活二g 防風二g 白朮二g 竜胆草二・五g 茯苓二g 甘草一g
【用法】 水煎服用。
【病機】 血虚・風湿痺。
【治法】 補血活血・袪風除湿。
【適応証】
血虚による筋脉失養に乗じて風湿の邪に侵犯され、風湿によって気血阻滞を生じ、このために血瘀を併発したもので、関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛など。
蛇足ながら、ウチダ和漢薬さんから発売されている「疎風定痛湯」というエキス細粒の便利な分包品は、筆者によるネーミングで、基本方剤はこの疏経活血湯である。
変った治験例としては、
(1)重度の下肢静脈瘤で発赤・腫脹・疼痛が顕著で歩行障害が著しい婦人に対し、「疎風定痛湯」分包を基礎に、これまた筆者が製造開発に直接タッチした
丹参製剤「生薬製剤二号方」(川芎・芍薬・紅花・木香・香附子・丹参)のエキス製剤と、補助的に食餌療法のイオン化カルシウム併用により、三ヶ月で自覚症状が完全に消失して手術を免れた例がある。
炎症症状が激しい場合は、さらに地竜を加えるべきである。
(2)顔面神経麻痺で、顔面の右半分が不自由極まりなく、病院での検査上は脳血管に全く異常が認められない「外中風邪」の婦人に対し、疏経活血湯と五積散の各エキス製剤の合方にて速効を得た例など、応用範囲は広い。