ここ何年か、托裏消毒飲(当帰 川芎 白芷 桔梗 皀角刺 陳皮 黄耆 金銀花 人参 白朮 茯苓 防風 厚朴)の方意と同様なものをエキス剤や中草薬を組み合わせることで十分以上の代用がきくことを発見し、応用する機会が増えている。
ガンや悪性腫瘍が進行して皮膚表面に露出したものが爛れて腐臭を発するものにも、根治は無理にしてもよく奏功する。
既に、別サイトの
漢方医学発展への道(中医学と日本漢方)-異病同治の日本漢方と、同病異治の中医学を合体した『中医漢方薬学』ー
で述べているので、下記に引用する。
最近も慢性化膿性骨髄炎で足に腐骨があり表皮に漏孔を作って膿が微量ずつ排出し続け、思うように入浴も儘ならない状態の患者さんに、日本でも良く使用される托裏消毒飲の代替として、玉屏風散エキス製剤に金銀花や人参の配合された荊防敗毒散料エキス製剤に白花蛇舌草の併用で一年半、基本的に漏孔も早くから塞がり安定した状態が続いてる。
充分以上の代替となり、むしろ托裏消毒飲よりも効果的なのではないかと愚考しているところである。
一年前に記したものだから、既に3年近く続けておられる方の例である。
西洋医学治療では、腐骨を除去する手術をする以外に治療方法がなくなっていたが、上記のように、托裏消毒飲の代用として、
・玉屏風散(ぎょくへいふうさん)のエキス製剤
・荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)のエキス製剤(
金銀花や
人参が必須!)
・白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)のエキス
この三者併用で、治療を徹底しているところである。
いずれ他の症例を含めて、詳述する機会があるように思うが、さしあたりは托裏消毒飲に関連した記事としては、
肝膿瘍の漢方薬
において、肝膿瘍ではなく肺膿瘍に対する著効例を記載している。