補気建中湯は、軽度の腹水の段階で早めに使用しつつ、さらに適切な中草薬類を加えることで、かなりな漢方サポートを実現できる可能性が高い。
病状によっては、補気建中湯よりも分消湯の方が適切なこともしばしば遭遇するが、これも正確な弁証論治が必要とはいえ、現実には鑑別するのに苦労する場合も多い。
状況によっては補気建中湯+分消湯ということも意外に遭遇する。
ともあれ、補気建中湯は、腹膜播種による腹水などに利用することが多いとはいえ、もともと穏やかな配合内容であるから、それほど重大な疾患でもなく、胃腸の弱い浮腫傾向の人にも気軽に試すことが可能である。