とびとびになって、また五苓散のことで、これが4回目。
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思いつくまま、あるいは思い出すまま、ここまで書いてきたので、だからよけいに重要なことを書き落としている気がする。
五苓散に様々な方剤を合方して、一見難治性の疾患にも、よく用いてきているので、逆に、それらの疾患に、五苓散単独だったら、どうだったんだろう、と考える時があるが、いや単独では、絶対無理だったが、合方したお陰で、あれだけの効力を出せたんだ、と言えるものも多い。
単独か単独に近いときでも、凄い威力が出た例では、幼児の頭蓋内に生じた良性腫瘍。
それに、同じく幼児で、全身に生じた数センチ大の軟らかい良性腫瘍。
同様に大人でも、全身に生じた不明の軟らかい良性腫瘍。
活血化瘀の方剤、当期芍薬散・桂枝茯苓丸などを合わせ、さらに我朮(我朮)・三稜(サンリョウ)等を加えて、直径十数センチ以上にも達した卵巣嚢腫。
思い出せば、尽きないからこの辺でおいておくが、五苓散がよく応じるのは、腫瘍内部に水分が貯留したような状態で、内容物の粘度が強くなければないほど、効力を発揮しやすいのは、当然であろう。
しかしながら、この内容物の粘度が比較的高い場合でも、五苓散に加える方剤、あるいは単味生薬にしても、それらが適切であれば、かなりな威力を発揮することも多い。
ともあれ、口腔内のガマ腫を、五苓散に田七粉を加えて速効をえたことがあり、その女性の娘さんの、手に生じたガングリオンも、同様にして、速効を得た例など、様々である。
母親の口腔内ガマ腫は、あるいは五苓散単独でもよかったかもしれないが、その点は?である。
ただし、上記と同様な疾患が、すべてが万事、同様な方法で治るとは限らないので、個人個人の特殊性に配慮した工夫が必要となる。
漢方薬は、人類共通の普遍性を追究する西洋医学で用いる医薬品とは異なるので、それぞれの特殊性、もっとやさしくいえば、体質に応じた漢方薬方剤を選ばなければならないのである、。
だから、五苓散を応用するにしても、単に日本流の方証相対のみの思考に留まらず、常に中医学の基礎理論に則った「弁証論治」による、思考方法を身につけるべきである。