漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記
2023-08-12T09:17:14+09:00
cyosyu
山口県下関市・村田漢方堂薬局経営45年の中医漢方薬学派・ヒゲ薬剤師による漢方薬方剤印象記
Excite Blog
中医学と日本漢方を合体した中医漢方薬学に基づく口訣集
http://cyosyu.exblog.jp/1704773/
2024-12-31T23:59:00+09:00
2023-08-12T09:17:14+09:00
2005-11-02T20:07:15+09:00
cyosyu
はじめに
記載内容はすべて専門家向けです。一般の方がヒントにされる場合は、必ず医師・薬剤師など近隣の漢方薬の専門家に御相談下さい。素人療法は絶対に禁物です!
素人判断でネット上で購入したが、後の指導をお願いしたいという電話やメールがあとを絶ちませんが、上記の注意を一切無視したお問い合わせには一切お答えできません!こちらの迷惑もお考え下さい!
なお、ネット上での販売目的の利用や引用に関しましては、かたくお断りします!!!(漢方薬を含めた医薬品のネット上でのお誘い販売は、多くの識者から医療事故を引き起こす危険性が大きいのではないかと、強く危惧されています。)
基礎理論はすべて中医学に学び、基本方剤を大切にする日本漢方の精神の伝統を受け継いだ「中医漢方薬学」論者・ヒゲ薬剤師による口訣集です。
ただし、漢方処方一つ一つの基本的な解説は、日本語で書かれた中医方剤学関連の書籍が沢山あり、またネット上でも簡単に調べが付くことですから、多くを省略しています。
一般書籍やネット上ではあまり書かれてない筆者の長年の経験によるエキスばかりをなるべく分かりやすく書いているつもりです。
(漢方と漢方薬の専門家に少しでも参考になればという思いと同時に、もしかしたら愚息や愚娘あるいは孫たちの参考になる時代が来ないものか、という極めて個人的なほのかな願いも加わっています。)
サイトマップ 御意見や御質問の窓口⇒●
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※村田恭介が立案して誕生したウチダの生薬製剤二号方と丹心方]]>
補気建中湯や分消湯は、腹膜播種による軽度の腹水の段階で早めに使用
http://cyosyu.exblog.jp/25758564/
2017-05-09T13:58:00+09:00
2017-05-09T14:02:15+09:00
2017-05-09T13:58:10+09:00
cyosyu
補気建中湯
病状によっては、補気建中湯よりも分消湯の方が適切なこともしばしば遭遇するが、これも正確な弁証論治が必要とはいえ、現実には鑑別するのに苦労する場合も多い。
状況によっては補気建中湯+分消湯ということも意外に遭遇する。
ともあれ、補気建中湯は、腹膜播種による腹水などに利用することが多いとはいえ、もともと穏やかな配合内容であるから、それほど重大な疾患でもなく、胃腸の弱い浮腫傾向の人にも気軽に試すことが可能である。
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病名別の比較的詳細なブログのご案内
http://cyosyu.exblog.jp/23687974/
2015-09-18T16:03:00+09:00
2015-09-29T07:16:12+09:00
2015-09-18T16:02:54+09:00
cyosyu
相互リンク集(詳細)
肺腺癌
肺癌
慢性リンパ性白血病
悪性リンパ腫・胃マルトリンパ腫
骨髄異形成症候群
急性骨髄性白血病など血液の悪性疾患(血液癌)
印環細胞癌によるスキルス胃癌
胃癌・食道癌
癌性腹膜炎・腹膜播種・腹水や胸水
悪性腫瘍・癌・ステージ4の進行癌や転移癌
抗癌剤の副作用や抗癌剤治療の是非の問題
大腸癌
肝臓癌と肝硬変
子宮頸癌や子宮体癌・卵巣癌
脳腫瘍
膵臓癌および胆管癌や胆道癌
乳癌
膀胱癌・前立腺癌
慢性前立腺炎・前立腺肥大・前立腺癌・副睾丸炎(慢性精巣上体炎)
心筋梗塞および狭心症
慢性肝炎、ウイルス性肝炎(B型肝炎、C型肝炎など)
慢性腎炎および腎機能低下や腎不全
脊髄小脳変性症
線維筋痛症
慢性疲労症候群(CFS)
脳脊髄液減少症および交通事故後遺症
浮腫(むくみ)・腹水
ヘルペス:帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛や性器ヘルペスや口唇ヘルペスなど
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
逆流性食道炎・胃痛・胃潰瘍・十二指腸潰瘍および萎縮性胃炎
アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
コリン性蕁麻疹
五十肩や肩凝りおよび各種の疼痛、鈍痛、疝痛・シビレなど
熱中症や冷房病
不整脈(心房細動など)を伴う拡張性心筋症などの心疾患
不妊症および各種婦人科疾患(生理痛や月経周期の異常など)
尋常性乾癬・乾癬性関節炎(関節症性乾癬)
風邪やインフルエンザ
若返りや美容関連
飛蚊症
ダイエットや肥満症
子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣チョコレート嚢胞・子宮腺筋症・卵巣嚢腫
花粉症・アレルギー性鼻炎・蓄膿症(慢性副鼻腔炎)・後鼻漏
各種膠原病や関節リウマチやシェーグレン症候群など
膀胱炎・間質性膀胱炎・尿路結石・ 腎臓結石/排尿異常(尿失禁・頻尿・閉尿)
パニック障害(不安神経症)やストレス症候群
細菌感染やウイルス感染
メマイやフラツキ、耳鳴や頭鳴など、あるいはメニエール氏症候群など
糖尿病
更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群
高血圧
潰瘍性大腸炎・クローン病
酒さ(酒皶)・赤ら顔・酒さ様皮膚炎・ステロイド酒さ
吹き出物やニキビ、脂性や角栓および脂漏性皮膚炎
脳梗塞、脳出血、蜘蛛膜下出血、脳幹出血などの後遺症
糖尿病性腎症・腎不全
蕁麻疹
中耳炎(滲出性中耳炎・真珠腫性中耳炎など)
椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・腰痛・坐骨神経痛や腰冷え
慢性気管支炎・気管支拡張症・気管支喘息・咳喘息・など呼吸器系疾患
下肢の疾患(下肢静脈瘤・深部静脈血栓・変形性膝関節症など)
顎骨骨髄炎・慢性骨髄炎・肺膿瘍・肝膿瘍
下痢や便秘・過敏性大腸炎・腹痛・腹鳴・腹満・おなら(ガス)
常習便秘症
各種貧血症および各種紫斑病および疲労困憊状態
頭痛・肩凝り・むかつきや吐き気・嘔吐・めまい・ふらつき
胆石症・胆嚢炎・脂肪肝・肝機能障害・慢性膵炎
眼科疾患(白内障・緑内障・黄斑変性症・網膜色素変性症など)
円形脱毛症や薄毛]]>
立ちくらみを目標とすべき苓桂朮甘湯(リョウケイジュッカントウ)の効能・効果
http://cyosyu.exblog.jp/18362410/
2012-07-13T07:26:00+09:00
2012-08-01T09:42:02+09:00
2012-07-13T07:26:44+09:00
cyosyu
苓桂朮甘湯
ところがどこの苓桂朮甘湯エキス製剤にも、効果・効能部分の記載において、ふらつきやめまいが出てきても、もっとも目標とすべき「立ちくらみ」が一切出て来ない。
起立性調節障害などに著効を奏する苓桂朮甘湯ではあるが、日本漢方時代に学んだことで現在でも高く評価しているのが各方剤についての「口訣(くけつ)」である。
苓桂朮甘湯の使用目標は、正確な弁証論治を行う上でも最重要確認事項がこの「立ちくらみ」を起こしやすい体質であるのかどうかを問い質しておくことなのである。
なお、苓桂朮甘湯中の朮(じゅつ)は、常識的なことながら白朮(ビャクジュツ)の配合であるべきで、一部の医療用漢方などでは白朮を配合すべきなのに、蒼朮(ソウジュツ)で代用されている製剤は、問題なしとしない。
(但し、補中益気湯や六君子湯中の白朮が蒼朮で代用されていることの方がはるかに問題は大きいかもしれない。)
参考文献:白朮(ビャクジュツ)を蒼朮(ソウジュツ)で代用する日本漢方の杜撰で詳細に述べている。
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補中益気湯(ほちゅうえっきとう)の中医学的分析
http://cyosyu.exblog.jp/18333138/
2012-07-08T01:54:00+09:00
2020-11-30T09:21:23+09:00
2012-07-08T01:54:23+09:00
cyosyu
補中益気湯・ホチュウエッキトウ
脾胃は中焦に位置し,気機が昇降する要衝なので、脾虚気陥を生じると,上部では息切れがして話すのも億劫になり、呼吸が苦しくなる。
また下部では子宮脱や月経過多となり、あるいは悪露が尽きないとか、小便が終わってもいつまでもチビリチビリと少量の尿が漏れ出てしまうなど。
さらには不正性器出血や帯下、小便の失禁があったり、あるいは逆に尿閉となるなど。
気虚による機能低下から来る便秘が生じたり、その逆に慢性の軟便が頻繁に生じたり下痢があったり、あるいは内臓下垂による脱肛などの症状が現われる。
いずれも中焦の気を補い下陥した陽気を昇挙して気機を正常に回復させる必要があり、配合方剤には補気健脾を土台として升麻・柴胡などの升陽薬を配合する必然性が生じる。すなわち補中益気湯である。
補中益気湯の特徴的な作用は,下陥した清陽を昇挙するもの。
清陽下陥により陽気が内鬱すると,身熱〔身体の熱感〕・自汗・口渇があり熱い飲物を好む・脉は大で虚などの仮熱の症候が現われる場合があるので,補中益気湯を用いて下陥した清陽を昇挙し,清陽を上昇させて陽気が外達すれば,熱象は解除される。これが「甘温除熱」のメカニズムでもある。
また補中益気湯は不正出血や痔出血、潰瘍性大腸炎の出血など、人体の下部で生じる各種出血性疾患に応用されるが、そのメカニズムは・・・・
人体の血液が経隧中を正常に運行して経脉から外溢しないのは,脾気の統血・摂血作用によるものである。「脾は統血を主り,気は摂血を主る」と言われように、脾虚気陥によって統血・摂血作用が失調したために人体下部から生じる各種出血性疾患に対する治療効果を発揮する。
ところで、日本で使用される補中益気湯の配合内容は、人参、白朮 各4.0 黄耆、当帰 各3.0 陳皮、大棗 各2.0 柴胡、甘草 各1.0 乾生姜、升麻 各0.5というように黄耆(オウギ)の配合量が少ないものや、止汗作用のある白朮(ビャクジュツ)が発汗作用のある蒼朮(ソウジュツ)で代用された製剤もあるが、これらはいずれも問題なしとしない。
さらには本来、大棗や乾燥生姜は余計な配合で不要である。日本のエキス製剤はいずれも不要な大棗と乾燥生姜が配合されており、これらの配合は間違いと言っても過言ではない。
蛇足ながら、唯一某社の製剤には人参のかわりに党参が配合され、大棗と生姜が省略されているので、アトピー性皮膚炎などでも比較的安心して使用できる。
【補中益気湯の方意】 脾虚気弱による病変では,甘温の薬物によって脾胃を温養し中気を補益すべきであるが,本証では脾虚ばかりでなく清陽下陥を伴っているので,補中益気と昇陽挙陥の二法を同時に行う必要があり,脾気を補充して清陽を復位させる。
清陽が復位すると陽気が内鬱しなくなって身熱が解除されるのであり,「甘温除熱」とはこのことを意味する。
今回このブログを書くにあたって参考にした四川科学技術出版社発行の「中医方剤与治法」の補中益気湯の配合内容は、
【成分】 黄耆30g 人参10g 白朮10g 甘草6g 陳皮9g 当帰10g 升麻6g 柴胡6g
となっており大棗と生姜が省略されている。
日本における使用分量より遥かに大量であるが、このような真似はしないほうが無難であろう。
かの国の水は硬水のため成分抽出効率が悪く、日本の軟水で抽出されるものと同一視できないといわれる。
方中の黄耆は,肺気を補い,皮毛を実し,中気を益し,清陽を昇らせるものであるから主薬として配合量が多い。
人参・甘草は補脾益気し,白朮は燥湿強脾し,これら三薬は黄耆に協力し,以上の四薬によって補中益気の効能を発揮する。
升麻は脾気を昇発し,柴胡は肝気を疏達し,これら二薬も黄耆に協力して昇陽挙陥の効能を発揮する。
利気醒脾の陳皮は,補気による気滞の弊害を防ぎ,養血調肝の当帰は,疏肝の柴胡による肝血の損傷を防御し,さらにまたそれぞれに一定の役割があるが,主体となる重要な役割があるわけではない。
以上は四川科学技術出版社発行の「中医方剤与治法」を参考にした部分が多い。
IMGP6419 posted by (C)ボクチンの母]]>
蕁麻疹(ジンマシン)の特効薬に近い茵陳蒿湯(インチンコウトウ)
http://cyosyu.exblog.jp/18113265/
2012-06-04T10:16:00+09:00
2012-06-04T11:42:00+09:00
2012-06-04T10:16:29+09:00
cyosyu
茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)
この黄膩苔の存在が明らかであれば、慢性であれ急性であれ、多くの場合は茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)証である。すなわち肝胆に湿熱を蓄えている証拠で、このような安価な方剤で治るなら、経済的にも大助かりのはずである。
念のために吸収率のよいカルシウム類を併用しておけば、黄膩苔を蓄える人なら百発百中に近いのではないかと大言壮語したくなるほど、この四十年近くの漢方相談経験から言えることである。
ところが、当方に来るまでに散々保険漢方はもとより、地元の漢方薬局で様々な配合を駆使されても一向に治る気配がなかった人達でも、これこそ方証相対の極み、遅かれ早かれ治癒に向かった例の枚挙に暇がない。
しかしながら、コリン性の蕁麻疹に対しては、これまで一度も奏功した経験がなく、清熱涼血解毒方面の配合方剤が必要な人達ばかりであった。
おそらくコリン性蕁麻疹と肝胆系の湿熱とは直結しない部分があるように思われる。
といってもあくまでケース・バイ・ケースで、必ず的確な弁証論治に基いて考慮されるべき問題である。
参考文献:
※蕁麻疹の漢方薬:漢方薬局経営薬剤師の一喜一憂
※蕁麻疹の漢方薬:漢方薬専門・村田漢方堂薬局(山口県下関市)の近況報告
IMGP0710 posted by (C)ヒゲジジイ]]>
逆流性食道炎にオルスビー錠が本当に有効か?
http://cyosyu.exblog.jp/17925439/
2012-05-06T00:45:00+09:00
2012-08-24T12:26:01+09:00
2012-05-06T00:45:34+09:00
cyosyu
オルスビー錠
2007年02月15日 逆流性食道炎に対する安上がりな漢方薬
と題して発表したものを嚆矢とする。
それがいつの間にか、検索からも消え、宣伝上手な他サイトでは「安くてすいません」などと嘯くブログすら現れる始末(苦笑。
たしかに安価なものなので、地元で調達して試してもらえば5割前後の確率とはいえ、少しはお役に立てるかもしれない、世のため人のため、老婆親切から上記のブログを書いたものだった。
しかもこのオルスビー錠は第3類医薬品であり、あまり体質を考慮しなくても、ほとんど副作用の心配がない。
しかしながら、ネット上の販売店で盛んに宣伝されるほど、オルスビー錠単独で皆がみなに効くものではないので、そのことはここでしっかりと強調しておきたい。
人の褌で相撲を取るのもいいが、ほどほどにしておかないと、ダイエットに防風通聖散などとまことしやかな嘘がまかり通るのと同レベルに堕することになる。
もともと上記のブログに書いているように、過去の事例から5割の人に有効ではないか?と書いているように全員に効くとは書いてないはずだ。
ところで最近、ブログの閲覧者から匿名のメールで、オルスビー錠で却って調子が悪いという女性が2名あったことから、少数の人には合わない可能性がある。
このような逆効果であったという報告を受けたのは初めてであるが、1~2例でもあれば看過することはできない。
またオルスビー錠がフィットする場合でも、人によってはオルスビー錠だけでは効果が弱いようにも書いていたと思うが、これまで多くの逆流性食道炎の人達の漢方相談を受けて、一般漢方処方を併用してもらいながらも、男女それぞれ一名ずつ、ほとんど効果が出なかった人もいる。半年前後は頑張られたが、どうしてもこのお二人には効果が少なかった。
但し、遠方の人達で、当時は一度来られただけで、あとはメール相談というのがまずかったように思われる。
7~15日毎に通いつめた人達は全員、ほぼ寛解しているからである。
もちろん、オルスビー錠だけで改善した人も多かったとはいえ、現実にはやはり弁証論治に基づいた適切な一般漢方製剤を併用した方が、明らかに効果は上がる。
なかでも大柴胡湯証を呈している人が最も多かったが、ササヘルスとオルスビー錠の併用で治った人もかなりいた。
世間で噂される逆流性食道炎に六君子湯というパターンは、当方の薬局に限っては極めて小数派に過ぎなかった。
漢方処方を併用する場合には必ず体質に応じた配慮、つまり弁証論治にもとずく適切な方剤を選ぶことが必須となる。
現在進行形でも9つの重大疾患を抱える人が、この逆流性食道炎に関しては大柴胡湯+オルスビー錠で、明らかに症状が激減して大いに喜ばれている。
ともあれ、いつの間にか、オルスビー錠が逆流性食道炎の特効薬みたいに宣伝するブログもみられるが、ちょっと過剰宣伝が過ぎではないですかっ?と窘めておきたいものである。
そのほかの関連ブログ:逆流性食道炎とオルスビー錠の中でも、
※オルスビー錠が逆流性食道炎に効果があったとのご報告と質問
という報告もあれば、これとは真逆のケースの報告もある。
※逆流性食道炎にオルスビー錠が合わなければ即刻中止すべきです
その後の分析から次のような類推がなされるようになっている⇒
オルスビー錠が逆流性食道炎に効果を発揮しやすいタイプが判明したかも]]>
補中益気湯に蒼朮(ソウジュツ)が配合される錯誤問題
http://cyosyu.exblog.jp/17910805/
2012-05-03T22:35:00+09:00
2012-07-05T16:38:48+09:00
2012-05-03T22:35:43+09:00
cyosyu
補中益気湯・ホチュウエッキトウ
ところが、一部の医療用の補中益気湯エキス製剤では白朮が配合されずに、その代わりに軽度の発汗作用を有する蒼朮(ソウジュツ)で白朮の代用にしている医療用漢方製剤が存在する。
これは些か問題があり、本来の補中益気湯の作用をフルに発揮できるものではない。間違いだらけの漢方と漢方薬によれば白朮と蒼朮の最大の違いは、白朮は固表止汗して黄耆(オウギ)がないときの代用品になるくらいだが、蒼朮は逆に散寒解表して発汗作用があるので決して黄耆の代用とはなり得ない。
━白朮を蒼朮で代用する日本漢方の杜撰 ということから考えても、五苓散中の白朮を蒼朮で代用されるのとは問題のレベルがさらに大きいように思われる。
以上のことからも分かるように気虚系統の治療方剤は、いずれも白朮とあるところは必ず白朮でなければならず、蒼朮で代用できるものではないはずだ。
ところがその代表的な医療用漢方製造メーカーさんでは、補中益気湯のみならず六君子湯や十全大補湯など、多くの補益の方剤が、いずれも正しく白朮が配合されずに蒼朮で代用されている点については大いなる疑義を感じている専門家は多い。
おおよそ数えると三十数処方以上。
日本の医療界および漢方界のためにも早急に是正が求められる。
重要参考文献:
※白朮を蒼朮で代用する日本漢方の杜撰
※日本漢方の後進性の証明は医療用ツムラ漢方の補中益気湯や六君子湯中の白朮を蒼朮で代用する錯誤もその一つ
※補中益気湯や六君子湯中の白朮を蒼朮で代用する錯誤問]]>
小青竜湯は長期連用には向かない
http://cyosyu.exblog.jp/17905548/
2012-05-03T00:47:00+09:00
2012-10-30T07:22:46+09:00
2012-05-03T00:46:46+09:00
cyosyu
小青竜湯
透明で水様性の鼻水が流れること自体が多くは肺が冷えている証拠で、肺の宣発と粛降作用にトラブルが生じた状況下では、しばしばくしゃみやそれに伴う水っぽい鼻水が流れ出たり、あるいはまた水っぽいやや多目の豁痰を伴う咳嗽が生じるが、これらこそが小青竜湯証の一連の症候としてよくみられる。
しかしながら咳嗽をともなわない場合は、多くは小青竜湯よりも安全性の高い藿香正気散(カッコウショウキサン)で十分に代用できる。
いや、代用できるというよりもこちらの方が適切な場合も多い。
とりわけアレルギー性鼻炎や花粉症において、湿邪が体内に停留しているような状況下で風寒に侵襲されれば、まるで小青竜湯証と区別がつかないほどである。
であるなら胃腸にもやさしく細辛や麻黄という注意を要する生薬が含まれない藿香正気散を使用するほうが無難である。
小青竜湯も藿香正気散も薬性は辛温で肺系統を温めつつ乾燥させる働きが強いので、症状が治まったら連用するには及ばない。
症状がしっかり治まっているのに長期連用すると、しばしば乾燥性の咳嗽が勃発していつまでも治らなくなるので、多くの場合、連用は慎むべきである。
必要もないのに漫然と長期間服用し続けると、肺陰を損傷してこのような乾燥咳が生じるばかりでなく肺陰虚による虚熱が生じるばかりでなく、容易に肺熱を生じさせてしまう恐れが大である。
ところで、以前から巷では花粉症やアレルギー性鼻炎に小青竜湯が乱用気味となっており、くしゃみや鼻水、あるいは咳嗽でもあろうものなら、その症状だけで弁証論治を行わないまま無作為に小青竜湯を投与される医師が多いが、これこそ大間違いの元である。
同様な症状があっても、すべてが小青竜湯証とは限らないからである。
くしゃみ・鼻水・咳嗽のいずれにおいても、寒熱や燥湿において真逆のケースも多く、辛夷清肺湯証のように肺熱に肺陰虚の病機によって類似した症状を発することは珍しくない。
このことに暗いために、というか中医学の基礎理論はおろか、漢方医学のイロハにも疎い医師たちが、肺熱に肺陰虚の病機に適応する辛夷清肺湯証であるにもかかわらず、小青竜湯が投与されていたケースが実に多いのである。
このような間違った投与が行われると、次第に頑固な乾燥性の咳嗽が続いて、豁痰に血液が混ざるようになり、肺癌になったかと患者さんたちを不安に陥れている例は、枚挙に暇がないほどである。
参考文献:
※注意が必要な漢方薬(肺陰を損傷しやすい漢方処方)
※小青竜湯の副作用あるいは乱用問題
※やっぱり長期連用には不向きな小青竜湯など
※藿香正気散(カッコウショウキサン)
※藿香正気散 (かっこうしょうきさん) ]]>
小青竜湯で副作用が生じるのは医師の乱用が問題である
http://cyosyu.exblog.jp/17888426/
2012-04-30T13:33:00+09:00
2015-09-24T23:00:03+09:00
2012-04-30T13:33:30+09:00
cyosyu
小青竜湯
昨今、ほとんどの西洋医学畑の医師たちが、アレルギー性鼻炎や花粉症などに病名治療薬として乱用されるから、そのために様々な副作用を呼んでいる。
小青竜湯は肺失宣降・水飲内停の病機(病理機序)に対する宣肺降逆・温化水飲の治療効果を発揮するが、現実的には肺寒停飲の病機のある気管支喘息などに使う機会はあっても、アレルギー性鼻炎や花粉症では、胃に負担をかけず安全性の高い玉屏風散(衛益顆粒)や藿香正気散で十分なことが多い。
但し、幸か不幸か、この2つのエキス製剤は、保険適用品が存在しないので、保険医から投与を受けることができないので、自費で調達せざるを得ない。
そもそも日本の医療用の小青竜湯は細辛と乾姜において問題が多いのである。
細辛はやや毒性があり、あらゆる処方で日本より使用量が多い中国でさえ、1日量が3gを超ないほうが無難であるとされる生薬である。
ところが日本の医療用の小青竜湯製剤では、細辛が3g使われ、乾姜は例によって飴色に蒸した煨姜もどきが使用され、本来の乾燥生姜とは薬効において明らかに異なる。
それゆえ、昨今の様に漢方経験の少ない多くの医師たちが小青竜湯を乱用するものだから、タミフルと共に医師から処方された禁忌に近い危険な配合、麻黄細辛附子湯と小青竜湯という禁忌に近い投与が行われている。
これでは細辛が二重になって1日量が3gを遥かに超えて危険である。中国では昔から、細辛を粉末で用いるのに、一銭(約三グラム)を越えてはならない。多すぎた場合は悶死してしまう、とて戒めていました。 ━漢方薬の安全性の問題についてより引用とあるように細辛配合剤を乱用するべきではないのである。
現実的には副作用を生じやすい配合生薬は、細辛ばかりでなく麻黄の問題も大きい。
ましてや上記のように小青竜湯に麻黄附子細辛湯(麻黄細辛附子湯)を併用投与する禁忌に違い配合が行われれば、細辛が倍量になるばかりでなく麻黄も倍量となり、高齢者や虚弱者の場合、かなり危険である。
麻黄の主成分はエフェドリンであり、交感神経を刺激するので過剰投与されれば、様々な副作用(動悸・異常発汗・血圧上昇・異常興奮・胃障害など)を生じても不思議ではない。
たとえばしばしば見られる肺熱のある辛夷清肺湯証の人達にも、漢方知識の乏しい医師達により小青竜湯が投与されており、そのために様々な副作用にコリゴリして病院漢方を断念し、当方に相談に訪れる人達があとを絶たない現実がある。
いずれにせよ、昨今の小青竜湯の乱用は目に余るものがあるので、さしあたり問題のあった事例の一部をブログに書いているので、そのリンクを以下に掲載して参考に供したい。
医療用漢方の小青竜湯による誤投与や不必要な長期連用による副作用と思われる事例集
※耳鼻咽喉科で処方された小青竜湯による副作用
※耳鼻咽喉科で処方された小青竜湯による副作用の続報
※小青竜湯の長期連用による副作用
※高齢者に要注意の小青竜湯(副作用の認識がない医師たち)
※小青竜湯連用によって生じた乾燥性の咳
※小青竜湯と麦門冬湯のどちらでも良いと医師に言われながら出された小青竜湯に疑問をお持ちの親御さんからのお問合せ
※小青竜湯誤投与の典型例
※タミフルと共に医師から処方された禁忌に近い危険な配合、麻黄細辛附子湯と小青竜湯
※やっぱり長期連用には不向きな小青竜湯
これ以外にもまだまだあったが、見つかり次第追加して行きたい。]]>
大柴胡湯補遺(ダイサイコトウ関連ブログ)
http://cyosyu.exblog.jp/14630810/
2011-04-18T23:34:27+09:00
2011-04-18T23:34:30+09:00
2011-04-18T23:34:30+09:00
cyosyu
大柴胡湯
※体力のない人にも大柴胡湯の適応者は五万といる]]>
念願の補気建中湯エキス製剤が新発売されたっ!
http://cyosyu.exblog.jp/12041939/
2010-01-27T20:58:00+09:00
2010-01-27T21:06:14+09:00
2010-01-27T20:59:01+09:00
cyosyu
補気建中湯
蒼朮を省略して白朮だけが配合された補気建中湯は、補気建中湯にあらず。
このたび、この不況時の最中、筆者の要請に応じて小太郎漢方製薬さんの尽力によって実現した補気建中湯エキス製剤である。
すべての人に有効という訳には行かないにしても、適応証の人に的確に使用されれば、どうしようもない不快症状をたとえ一時的にせよ、大きく改善できることであろう。
関連ブログ:いよいよ新発売の補気建中湯や帰脾湯など
ダイサギ posted by (C)ヒゲジジイ]]>
芍薬甘草湯の大きな問題点
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2009-12-17T23:50:00+09:00
2012-09-18T22:53:38+09:00
2009-12-17T23:50:07+09:00
cyosyu
芍薬甘草湯
日本の漢方界は、他の科学分野と異なって、あまりにも知恵が無さ過ぎる業界だから始末に負えない。
傷寒・金匱の時代の書かれるままを墨守し、そのくせ白朮を安物の蒼朮で代用するような矛盾を平気で犯すような体たらくである。
芍薬甘草湯が傷寒論において芍薬と甘草の配合が同じ比率であることを金科玉条として、猫も杓子も同比率の製剤ばかりを粗製乱造するから、漢方には皆目シロウトの医師や薬剤師が乱用しまくるので甘草の服用肩による浮腫や高血圧を誘発するのである。
現代社会にマッチした配合比率では、芍薬に対して甘草は半分以下の比率であることが望ましいのである。その配合であれば、シロウト医師や薬剤師が適応を誤って投与しても、副作用を軽減できて問題は生じにくい。
のみならず、これからが重要な点であるが、同比率で配合された芍薬甘草湯よりもむしろ効果は優れている可能性が高いのである。筆者の過去の経験からも断言できる話だが、筆者が述べたくらいではなかなか信用しないだろうから、本場中国の過去の老中医たちの治験例集を多くかき集めて調査するがよい。
筆者自身、これらの調査を二十年前に既に詳細に行なっているが(昨今もうろくして過去の記憶も薄らいできているが)少なくと、どの老中医も、傷寒論に記載される芍薬甘草湯のような同比率の配合で投与された例は皆無であったっ!
芍薬に対して甘草は半分以下であることが大半である。三分の一以下の配合量だったことも稀ではなかったように記憶する。その理由は芍薬甘草湯の主薬は芍薬であるからに他ならないだろう。
だから昨今、親しい製薬メーカーには、芍薬が6gに対して甘草が2~3gとした一日量としたエキス製剤の許可を取れば、派手に宣伝してあげるから許可を取り直さないかと打診しているが、どの程度真面目に受け取っているか心もとない(苦笑。
芍薬4~6gに対して甘草2gの方がエキス剤としては応用が利いて相応しいかもしれない。いずれにせよ、本気で許可申請を出せば二年以内に許可が下りる可能性が高いのだから、奇特なメーカーはないものかねっ?
と思っていたら、許可申請に努力してくれたメーカーさんが出現したのだが、芍薬と甘草は同比率の配合でなければ、絶対に製造許可が下りないことが判明した!
かくのごとく、いくらメーカーさんが頑張っても、監督官庁が石頭で融通性のない官僚集団だから、どうにも救いようが無いということだった。
これだから日本の漢方はますます衰退するわけだっ!
今にも降りそうな曇天下のアオサギ posted by (C)ヒゲジジイ]]>
大塚敬節先生の私淑者としての思い出
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2008-08-15T21:57:00+09:00
2020-08-24T00:20:45+09:00
2008-08-15T21:58:12+09:00
cyosyu
お茶でもどうぞ
大塚敬節先生の私淑者としての思い出 posted by (C)ヒゲジジイ
大塚敬節先生の私淑者としての思い出 posted by (C)ヒゲジジイ
関連ブログ:保守的でなくしては生まれ得ない創造性について
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葛根湯を高血圧体質の人に使用することの是非について
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2008-07-12T09:03:00+09:00
2008-07-12T08:54:46+09:00
2008-07-12T08:53:58+09:00
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葛根湯(カッコントウ)
2008年07月12日
高血圧体質の人に葛根湯を用いることの是非
上記のブログを参照されたしっ!]]>
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